はじめに
GIGAスクール構想は、すべての児童生徒に「1人1台端末」と「高速ネットワーク環境」を整備し、個別最適な学びと協働的な学びを実現することを目的とした国家プロジェクトです。2019年にスタートしたこの構想は、2025年現在、第2期に突入し、さらなる進化を遂げようとしています。
第2期の重点ポイント
✅ 1. ネットワーク環境の強化
- 文部科学省は、学校の通信環境が「家庭レベル」にとどまっている現状を踏まえ、10Gbps級の広帯域通信への移行を推進。
- 各校に対して、ネットワークアセスメント費（100万円）や機器更新費（200万円）などの補助を実施。
✅ 2. 校務DXの加速
- 出席簿・健康診断票・指導要録などの帳票を都道府県単位で共通化・標準化。
- 校務支援システムの共同調達を進め、1校あたり680万円の補助を計上。
✅ 3. 教育DX人材の育成
- 「学校DX戦略アドバイザー事業」により、専門人材を学校に派遣。
- 2024年度には約1,000件以上の相談対応が行われ、現場のICT活用を支援。
成果と課題
📈 成果
- 全国学力調査では、ICT活用が積極的な生徒ほど学力・自己肯定感・挑戦心が高いという傾向が確認されている。
- 探究学習や文理横断型の学びを支援する「DXハイスクール」も拡充中。
⚠️ 課題
- 地域・学校間のICT活用格差。
- 端末の更新時期やネットワーク整備の予算・人材不足。
- 急速に普及する生成AIへの対応と情報モラル教育の強化。
まとめ
GIGAスクール構想は、単なるICT整備ではなく、教育の質を根本から変える国家戦略です。第2期では、ネットワーク・校務・人材・教育内容のすべてにおいて、より深い改革が求められています。今後は、自治体・学校・家庭が連携し、「使えるICT」から「活かすICT」へと進化させることが鍵となるでしょう。
